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遺品整理の費用相場はいくら?間取り別の実例と業者選びのポイント

📖 読了目安:約9分 🗓 更新日:2026年6月

「親が亡くなって実家の片付けをしなければならないが、どこに頼めばいいのか、費用はどのくらいかかるのか、まったく見当がつかない」——そんな状況で検索してここにたどり着いた方が多いと思います。

遺品整理は、悲しみのなかで時間的なプレッシャーもある状況で進めなければならない作業です。費用の目安が事前にわかっていれば、業者に問い合わせる心理的なハードルが下がります。この記事では、間取り別の費用相場・費用を左右する要素・業者の選び方・費用を抑えるコツを順番に解説します。

遺品整理とゴミ屋敷清掃の違い

遺品整理と「不用品回収」「ゴミ屋敷清掃」は、似ているようで根本的に異なるサービスです。この違いを知らずに依頼すると、必要なサービスを受けられなかったり、費用が大きくずれたりすることがあります。

サービス 主な対象 供養・仕分け 貴重品対応
遺品整理 故人の遺品・家財全般 あり(お焚き上げ等) 丁寧に仕分け
不用品回収 処分したい大型家具等 なし 対応しないことが多い
ゴミ屋敷清掃 大量のゴミ・廃棄物 なし 基本なし

遺品整理の最大の特徴は、「ただ捨てる」のではなく、故人の遺品を丁寧に仕分けし、遺族の意向を確認しながら進める点にあります。通帳・印鑑・現金・契約書類といった重要書類が紛れていることも多く、専門業者はこれらを見落とさないよう注意を払います。また、仏壇や位牌などをきちんと供養する「お焚き上げ」サービスが含まれているかどうかも、遺品整理業者を選ぶ際の重要な確認事項です。

ポイント:「実家の不用品を捨てたい」だけであれば不用品回収で足りますが、「親が亡くなった・施設に入った後の実家の整理」であれば、遺品整理専門業者への依頼が適切です。

また、ゴミ屋敷化してしまった実家の清掃費用については別記事で詳しく解説していますが、遺品整理と同時にゴミ屋敷清掃が必要なケースでは、費用が大きく上乗せされることがあります。見積もり時に状況を正直に伝えることが重要です。

遺品整理を始める前に必ず確認したいこと

費用を調べる前に、先に確認しておくべき点があります。手順を誤ると、金銭的に取り返しがつかなくなる場合があるためです。

相続放棄を検討しているなら、遺品に手をつけない

故人に借金がある可能性があるなど、相続放棄を少しでも検討している場合、遺品整理に着手してはいけません。民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認したもの(=借金も含めて相続を受け入れたもの)とみなされると定められています。良かれと思って家財を処分した結果、相続放棄が認められなくなる恐れがあります。

いわゆる「形見分け」も、財産的価値のあるものを持ち出せば処分と判断される可能性があります。負債の有無がはっきりしないうちは、写真を撮って現状を保存するにとどめ、先に弁護士や司法書士へ相談してください。

相続放棄には期限がある

相続放棄の申述は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。この期間は「熟慮期間」と呼ばれます。財産・負債の調査が間に合わない場合は、家庭裁判所へ期間の伸長を申し立てられる制度もあります。判断に迷う段階で時間だけが過ぎるのが最も避けたい状況です。

賃貸物件は退去期限との競争になる

故人が賃貸に住んでいた場合、家賃は解約まで発生し続けます。退去期限から逆算すると、遺品整理に使える時間は想像より短くなりがちです。一方で、前述のとおり相続放棄を検討中なら安易に片付けられません。賃貸かつ負債の可能性がある、という組み合わせは最も判断が難しいケースなので、早い段階で専門家を交えることをおすすめします。

先に決めるべき順番:①負債の有無を確認する → ②相続放棄するか判断する → ③(相続する場合のみ)遺品整理の見積もりを取る。この順番を守るだけで、大きな失敗はほぼ防げます。

費用相場:間取り別の比較表

遺品整理の費用は、部屋の広さ(間取り)と荷物の量によって大きく変わります。以下の表は、標準的な荷物量の場合の全国相場です。

間取り 費用相場 作業人数の目安 作業日数
1R・1K 3〜8万円 2〜3名 半日〜1日
1LDK・2K 8〜15万円 3〜4名 1日
2LDK・3K 15〜25万円 4〜5名 1〜2日
3LDK 25〜40万円 5〜6名 1〜2日
一軒家(4LDK以上) 40〜80万円 6〜10名 2〜3日

※上記は標準的な荷物量での目安です。荷物が極端に多い場合や特殊品(ピアノ・金庫など)がある場合は上振れします。買取がある場合は費用を相殺できます。

たとえば、親が40年以上住んでいた一軒家の場合、押し入れや物置にびっしりモノが詰まっているケースが多く、費用が80万円を超えることもあります。逆に、シニア向けマンションの1LDKであれば荷物が少なく、8万円台に収まることもあります。

親御さんの品物を前に手が止まってしまうのは、それだけ深い思いがあるからです。急がなくて大丈夫ですよ。

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費用を左右する5つの要素

同じ間取りでも、見積もり金額が業者によって大きく異なることがあります。その理由は、以下の5つの要素が費用に大きく影響するからです。

1荷物の量・種類

最も基本的な要素です。長年住んでいた実家は荷物の量が多く、費用が上がります。特に大型家具(タンス・ベッド・ソファ)家電製品(冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は廃棄時にリサイクル料が別途かかる場合があります。ピアノや金庫は特殊品として別料金になることが多いです。

2現場までの距離・搬出条件

業者の拠点から遠い場所は交通費・人件費が上乗せされます。また、マンションの高層階でエレベーターが使えない場合や、搬出路が狭い古い住宅では、作業に時間がかかるため費用が増加します。「エレベーターあり・1階」の場合と「エレベーターなし・4階」では1〜3万円程度差が出ることもあります。

3貴重品の有無・仕分け作業の量

通帳・印鑑・現金・貴金属・有価証券・重要書類が大量にある場合、仕分け作業に時間がかかります。遺品整理業者は「わからないものは捨てない」姿勢が基本ですが、丁寧に確認してもらえる分、作業時間と人件費がかかります。重要書類の確認代行を別オプションとして請求する業者もいます。

4供養サービスの有無

仏壇・位牌・写真・ぬいぐるみなどをお焚き上げ(供養)するサービスが含まれているかどうかで費用が変わります。供養を丁寧に行う業者は費用がやや高めですが、「ただ捨てられる」ことへの心理的な抵抗感が減ります。供養込みか、処分のみかを最初に確認しておくことが重要です。

5スケジュールの緊急度

賃貸物件の明け渡しや、相続手続きのタイムリミットがある場合、急ぎの依頼では「特急料金」がかかることがあります。逆に、日程に余裕があれば業者の都合の良い日に合わせてもらえるため、費用を10〜20%ほど抑えられるケースもあります。急いで決める必要がないなら、複数社に見積もりを取る時間をとりましょう。

遺品整理業者を選ぶ3つのポイント

遺品整理業界は残念ながら悪質業者が存在します。「格安」をうたいながら、当日に追加料金を請求してくる業者や、買い取り品を不当に低く評価する業者に注意が必要です。信頼できる業者を見極める3つのチェックポイントを紹介します。

ポイント1:一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか

遺品整理で出るゴミを処分するには、「一般廃棄物収集運搬業の許可」が必要です。この許可を持たない業者は、廃棄物を適切に処理できず、不法投棄につながるリスクがあります。業者のWebサイトや見積書に許可番号が明記されているか確認しましょう。また、「遺品整理士認定協会」に加盟している業者は一定の倫理基準をクリアしているため、参考になります。

ポイント2:見積書が明細付きで発行されるか

「作業一式〇〇万円」というどんぶり勘定の見積もりを出す業者は要注意です。信頼できる業者は、「荷物の搬出:〇〇円」「廃棄処分費:〇〇円」「供養費:〇〇円」のように項目別に明細を出します。見積書を確認したうえで、不明な項目があれば必ず質問しましょう。

ポイント3:追加費用の発生条件を事前に確認する

「当日になって追加費用を請求された」というトラブルは多発しています。事前に「この見積もりから追加が発生する条件はありますか?」と聞いておくことが重要です。「見積もり後に追加費用は一切発生しない」と明言する業者、または「追加発生条件が具体的に明示されている業者」を選びましょう。

要注意サイン:チラシ配布や電話営業で「格安!今すぐ対応!」と勧誘してくる業者、現場を見ずに電話だけで「○万円でできます」と即答する業者、見積書を出さずに口頭だけで進めようとする業者は避けることをおすすめします。

費用のことが気がかりで踏み出せないときは、まず相場を知ることから始めてみませんか。それだけで心が少し軽くなります。

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依頼から作業完了までの流れ

初めて依頼する方が不安になりやすいのが「何がどの順番で進むのか分からない」点です。一般的な流れは次のとおりです。

段階やること注意点
①問い合わせ間取り・物量・希望日を伝える電話だけで金額を即答する業者は避ける
②現地見積もり実際に家の中を見てもらう立ち会って搬出経路も一緒に確認する
③見積書の確認項目別の明細を受け取る追加費用の発生条件を書面で確認する
④契約作業日・作業範囲を確定キャンセル規定を必ず読む
⑤作業当日仕分け・搬出・清掃可能なら立ち会う。貴重品の扱いを事前共有
⑥精算作業内容を確認して支払い買取がある場合は相殺内容を明細で確認

見積もりから作業日までは、通常は数日から2週間程度みておくと余裕があります。年度末や大型連休の前後は業者の予約が埋まりやすく、希望日が通りにくくなります。

自分でやる場合と業者に頼む場合の違い

「全部自分でやれば安く済むのでは」と考える方は多いですが、実際には向き不向きがあります。

比較項目自分で行う業者に依頼する
費用処分費と車両代のみ作業費が加わる
期間週末ごとで数週間〜数か月多くは1〜2日
体力面大型家具の搬出が大きな負担任せられる
精神面思い出の品で手が止まりやすい第三者が進行を保てる
処分ルート自治体のルールに沿って自分で手配まとめて処理してもらえる
向くケース物量が少ない・近隣に住んでいる遠方・物量が多い・期限がある

実際には「併用」が現実的です。貴重品や書類の仕分けだけ自分で行い、大型家具と大量の廃棄物を業者に任せる形にすると、費用を抑えつつ負担も減らせます。

追加料金が発生しやすいケース

見積もりから金額が上がる場合、多くは次のいずれかが理由です。事前に把握しておけば、見積もり時に確認できます。

状況なぜ加算されるか
エレベーターのない2階以上階段での手作業搬出になり人手と時間が増える
前面道路が狭いトラックを横付けできず小運搬が発生する
駐車スペースがないコインパーキング代や交通誘導員が必要になる
汚損・害虫がひどい清掃や消毒が別作業として加わる
特殊清掃が必要専門資材と有資格者による作業になる
仏壇・人形の供養お焚き上げの費用が別途かかる
即日・翌日対応人員を臨時に確保するための割増

逆に言えば、これらに該当しない物件は見積もりどおりに収まりやすいということです。該当する場合は、見積もり段階で必ず伝えておきましょう。後から発覚するほうが金額は上がります。

見積もり時に確認するチェックリスト

現地見積もりの場では、次の項目をその場で聞いてください。答えを渋る業者は候補から外して構いません。

特に重要なのが許可番号と保険の2点です。許可のない業者に依頼すると、不法投棄された際に依頼者側が責任を問われる可能性があります。

よくあるトラブルと防ぎ方

作業後に高額な追加請求をされた

最も多いトラブルです。防ぐには、見積書に「追加費用が発生する条件」を明記してもらうことに尽きます。口頭の「たぶん大丈夫です」は根拠になりません。作業開始前に、追加が出そうなら必ず一度手を止めて連絡してほしいと伝えておきましょう。

回収された家財が不法投棄されていた

許可を持たない業者に多いケースです。廃棄物の排出者には責任が残るため、依頼者が無関係とは言い切れません。許可番号の確認が最大の予防策です。

貴重品や写真を誤って処分された

「探してほしいもの」を作業前にリストにして渡すのが有効です。通帳・印鑑・保険証券・権利証・アルバムなど、具体名で伝えておきます。

買取金額が不当に低かった

遺品整理業者による買取は、片付けとまとめて行える利点がある一方、専門の買取業者より評価が低くなることがあります。着物・貴金属・骨董品など価値が読みにくいものは、片付けとは別に専門業者へ査定を依頼したほうが結果的に得になる場合があります。

費用を抑えるために現実的にできること

大きく削れるのは、実は作業費そのものではなく「物量」と「段取り」です。

1. 3社に相見積もりを取る

同じ物件でも業者によって金額は変わります。2社では判断材料が足りず、4社以上は日程調整の負担が大きくなるため、3社程度が現実的です。

2. 自治体の粗大ごみ回収を併用する

家具や家電の一部は、自治体の粗大ごみ回収に出せば費用を抑えられます。ただし収集日が限られ、自分で搬出する必要があります。時間に余裕があるときだけ有効な手段です。

3. 買取を組み合わせる

売却できるものを先に分けておくと、処分量が減り、買取代金を作業費に充当できます。特に着物や貴金属は、状態が良ければ値がつくことがあります。

4. 繁忙期を外す

年末年始、年度末、大型連休の前後は依頼が集中します。日程に融通が利くなら、時期をずらすだけで条件が良くなることがあります。

5. 仕分けだけ先に済ませる

「残すもの」「捨てるもの」を事前に分けておくと、当日の作業時間が短くなります。作業費は人数×時間で決まる部分が大きいため、ここが最も効きます。

遺品の買取で費用を抑える方法

遺品整理の費用を抑える最も効果的な方法は、遺品のなかから買取できるものを相殺してもらうことです。遺品整理業者のなかには「買取サービス」を兼ねている業者があり、買取額を整理費用から差し引いてくれます。

買取になりやすい遺品の例

貴金属・宝石類:指輪・ネックレス・金歯・金貨など。状態を問わず買取になることが多い。
ブランド品:バッグ・時計・衣類など。有名ブランドであれば古くても買取可能なケースがある。
骨董品・美術品:絵画・掛け軸・陶器・茶器など。価値がわからないものも一度査定してもらうべき。
家電製品(状態良好なもの):製造から5年以内の家電は買取になることがある。
本・CD・DVD・ゲームソフト:まとまった量があれば買取になることがある。
切手・コイン・収集品:趣味のコレクションが高値になることも。専門業者に査定を依頼する価値あり。

買取と整理を同時に依頼できる業者を選ぶと、手間が一度で済むうえ、費用の相殺ができて実質的な出費を抑えられます。一方で、買取額の査定を他の専門業者に別途依頼することで、より高額になる場合もあります。価値が高そうな品が多い場合は、整理業者の査定に加えて、骨董品・ブランド品専門の買取業者にも相見積もりを取ることを検討してください。

業者選びの詳細については遺品整理・不用品回収業者の選び方ガイドもあわせてご覧ください。

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