親の介護費用が払えない、貯金の残高を見るたびに胸がざわつく、年金だけではとても足りない――「介護 お金 ない どうする」と検索の手が止まらなくなって、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。ケアマネジャーから示された見積もりの金額に息をのんだ夜、通帳を何度も確認しては眠れなくなった夜もあったかもしれません。遠くに住んでいて毎月の仕送りにも限界があり、自分や自分の家族の生活も守らなければならない。それでも親を放っておくわけにはいかない。そんな板挟みのなかで、誰にも打ち明けられずに数字だけを頭の中で繰り返してしまうのは、無理もないことです。
でも、ここでひとつだけ立ち止まって考えてみてください。介護に十分なお金を用意できないことは、あなたが親不孝だからでも、家族として至らないからでもありません。日本の介護保険制度には、収入や資産が少ない世帯の負担を軽くするための公的なしくみがいくつも用意されています。それを知らなかったというだけの理由で、本来なら軽くできたはずの負担を、そのまま抱え続けている方が実はたくさんいるのです。
まず知ってほしいこと。介護費用には「上限」や「減免」のしくみがあり、申請すれば払い戻されたり、毎月の負担そのものが下がったりします(出典:厚生労働省/介護保険制度)。多くは申請しないと使えない制度です。「もう無理だ」と決める前に、使える制度がないかを一緒に確認していきましょう。

介護費用が苦しいときにまず知ってほしい、代表的な4つの制度をまとめました。名前だけ見ると難しそうに感じるかもしれませんが、どれも市区町村の窓口で手続きできるものです。全部を一度に覚える必要はありません。「うちの場合はどれに当てはまるだろう」と、ひとつずつ照らし合わせながら読んでみてください。
毎月の請求書を見るたびに「今月もこんなにかかるのか」とため息が出てしまう方に、まず知ってほしい制度です。介護保険のサービスを使った月の自己負担額が一定額を超えると、超えた分が後から払い戻されます。上限額は所得に応じて決まり、住民税非課税世帯などは月15,000円前後に抑えられるケースもあります。多くの自治体では一度申請すれば、以降は自動的に振り込まれるので、毎月手続きをし直す手間もかかりません。
「施設に入れてあげたいけれど、費用を考えると現実的じゃない」と感じている方に、特に知ってほしい制度です。特別養護老人ホームなどに入所・ショートステイを利用する際、住民税非課税世帯などは申請により食費と居住費(部屋代)が大きく減額されます。施設費用の中でもこの2つは負担が重い部分なので、対象になれば月数万円単位で変わることもあります。「お金がないから施設は無理」と結論を出してしまう前に、必ず確認してほしい制度です。
親の通院と介護、両方の費用が重なって家計が苦しいという方も少なくありません。医療費と介護費の両方がかかる世帯には、年間の合算額に上限を設ける「高額医療・高額介護合算療養費制度」があります(出典:厚生労働省)。ほかにも、おむつ代の助成、社会福祉法人による利用者負担軽減など、自治体や事業者ごとの減免が用意されていることもあるので、複数の負担が重なっている方こそ一度確認してみてください。
ここまでの制度を使ってもなお生活が立ち行かないなら、最後の選択肢として知っておいてほしいものがあります。資産や収入が一定以下で、ほかの制度を使っても生活が成り立たない場合は、生活保護の中の「介護扶助」で介護サービスを受けられます。「親を生活保護に頼らせるなんて」と胸が痛む方もいるかもしれませんが、これは憲法で保障された誰もが使う権利のある制度です。世間体を気にして申請をためらう必要は、まったくありません。
注意:制度の対象になるかどうかや上限額は、世帯の所得・資産状況や自治体によって異なります。この記事の金額はあくまで目安です。確定的な判断は、必ず市区町村やケアマネジャー・専門窓口でご確認ください。
制度の名前を並べられても、「結局、自分は何から電話すればいいのか」がいちばん分からないところだと思います。ここでは、お金の不安を抱えたときに動く順番を、実際の手順として整理しました。今日中に全部を片づけようとしなくても、まずは最初の一つに電話をかけてみることから始めれば十分です。
すでに担当ケアマネがいれば、「お金が厳しい」とそのまま伝えてください。使える減免やサービスの組み替えを一緒に考えてくれます。遠慮はいりません。
高額介護サービス費や負担限度額認定などは、役所の窓口で申請します。必要書類を聞き、住民税の課税状況がわかるものを準備しておくとスムーズです。
制度を使ってもなお生活が立ち行かない場合は、福祉事務所で生活保護の相談を。社会福祉協議会の貸付制度など、つなぎの支援を案内してもらえることもあります。
「実家が遠くて、平日に窓口へ行く時間なんて取れない」という方も多いはずです。そういう場合でも、電話相談やオンライン手続きに対応している自治体が増えています。まずは「親の住所地の地域包括支援センター」をネットで検索して、電話番号をメモにひとつ書き留めておくところから始めてみてください。それだけでも、今日やるべきことは終わりです。
介護のお金の問題は、制度を知っているかどうかで結果が大きく変わります。けれど、仕事や自分の生活を抱えながら、聞き慣れない制度名を一つずつ調べて、窓口を何か所も回るのは本当に大変なことです。「そもそも何が分からないのかすら、うまく言葉にできない」――そんな状態のまま、ここまで読んでくださっただけでも十分です。
実家SOSでは、ゴミ屋敷・介護・老人ホーム・空き家・相続・認知症といった実家の困りごとを、LINEでお聞きしたうえで、状況に合った相談先や厳選した提携業者へおつなぎします。「うちの場合、お金がなくて情けない」と思う必要はありません。金額の大小で判断したり、責めたりすることは一切ありませんので、今の通帳の残高や借金の有無も、そのまま話していただいて大丈夫です。まずは今抱えている数字と気持ちを、言葉にするところから始めてみませんか。
介護のお金のことで、どこから聞けばいいか迷ったときは、LINEで相談するという方法もあります。