認知症・徘徊

認知症の徘徊対策|今すぐできる対応と緊急時の備え

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

「親が急にいなくなって、近所を探し回った」「夜中に玄関の鍵が開いていてヒヤッとした」——認知症の徘徊は、ある日突然始まることが少なくありません。遠方に住んでいると、なおさら「次に何かあったら間に合わないかもしれない」という不安がつきまといます。この記事では、認知症の徘徊が起きる理由と、今すぐできる対策、そして万一いなくなってしまったときの対応手順を、家族の目線でまとめました。

まず知っておいてほしいのは、徘徊は「困った行動」ではなく、本人なりの理由がある行動だということです。叱ったり閉じ込めたりするのではなく、安全を確保しながら寄り添う方法を一緒に考えていきましょう。一人で抱え込む必要はありません。

なぜ徘徊が起きるのか — 理由を知ると対策が見えてくる

外から見ると「目的もなく歩き回っている」ように見えても、本人の頭の中にはたいてい理由があります。代表的なものを挙げると次のとおりです。

理由が分かると、玄関を物理的にふさぐだけでなく、「安心できる声かけ」や「日中に体を動かす機会をつくる」といった対策にもつながります。徘徊そのものをゼロにするより、「外に出ても安全に戻ってこられる仕組み」を整える発想が現実的です。

対策の柱は3つです。① 出て行きにくくする「玄関・室内の工夫」、② 居場所が分かる「GPS・見守り機器」、③ 地域に知ってもらう「事前登録と見守り連携」。この3つを組み合わせることで、家族の負担と本人のリスクを大きく減らせます。

今すぐできる徘徊対策 — 玄関・機器・地域連携

費用や手間の軽いものから順に、現実的な対策を紹介します。すべてを一度にそろえる必要はありません。実家の状況に合わせて、できるところから始めてください。

玄関・室内のちょっとした工夫(費用:数百円〜)

GPS・見守り機器でいざという時に居場所が分かる(月数百円〜)

万一外に出てしまっても、居場所がすぐ分かれば早期に保護できます。代表的な選択肢は次のとおりです。

地域に知ってもらう「事前登録」と見守り連携(無料が中心)

本人や家族だけで抱えず、地域の目を味方につけるのが何より効果的です。多くの自治体に次のような仕組みがあります。

これらの相談窓口の中心になるのが地域包括支援センターです。お住まいの地域の介護・見守りの総合相談先で、無料で利用できます。介護保険の申請がまだなら、あわせて相談しておくと、デイサービスなど日中の居場所づくりにもつながります。

目を離せない毎日に、心がすり減っていませんか。あなたが抱え込みすぎないことも、大切な備えのひとつです。

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「うちの親にはどの対策が合う?」「自治体の制度をどう調べればいい?」
状況を聞かせていただければ、見守り機器や地域の窓口、専門家への橋渡しまで、家族の立場で一緒に整理します。

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いなくなった時の対応手順 — 落ち着いて、この順番で

どれだけ備えても、徘徊を100%防ぐことはできません。だからこそ「いなくなったとき何をするか」を、家族であらかじめ共有しておくことが大切です。いざという時は次の手順で動いてください。

  1. まず家の中と近所を確認する

    押し入れ・トイレ・庭・物置など、家の中に隠れていることもあります。同時に、よく行く場所(昔の職場方面、近所のお店、駅など)を思い浮かべ、近所をひと回り探します。

  2. GPS端末・見守りアプリで位置を確認する

    事前に用意していれば、ここで位置を確認します。靴やカバンに端末を入れていた場合は、アプリで現在地をチェックしてください。

  3. 早めに110番(警察)に連絡する

    「まだ大げさかも」と遠慮しがちですが、認知症の方の行方不明は時間との勝負です。事前登録(SOSネットワーク)をしていれば、その旨も伝えます。事故や熱中症・低体温のリスクがあるため、ためらわず通報してください。

  4. 地域包括支援センター・ケアマネに連絡する

    平日日中であれば、地域の見守りネットワークを動かしてもらえます。担当のケアマネジャーがいれば状況を共有し、今後の対策も一緒に考えます。

  5. 発見後は責めず、安心させる

    見つかったら「どこ行ってたの!」と叱るのではなく、「無事でよかった」と穏やかに迎えます。叱責は次の不安や外出につながります。落ち着いてから、対策を見直しましょう。

真夏・真冬や夜間の行方不明は、熱中症・低体温・転倒・交通事故の危険が高まります。「少し待てば帰ってくるかも」と判断を先延ばしにせず、見つからなければ早めに110番してください。通報は何度しても構いません。

こうした手順を、紙に書いて冷蔵庫に貼っておく、兄弟姉妹のグループLINEで共有しておくだけでも、いざという時の動きがまったく違ってきます。遠方に住むご家族こそ、近くの協力者(親族・近所・民生委員)と連絡網をつくっておくと安心です。

一人で抱えず、まず相談を

徘徊の対策は、機器の購入から自治体の制度、介護サービスの調整まで多岐にわたり、「どこから手をつければいいのか分からない」と感じて当然です。判断に迷ったまま時間だけが過ぎてしまう前に、まずは情報を整理することから始めましょう。それは決して恥ずかしいことではなく、親を守るための大切な一歩です。

実家SOSでは、認知症の見守りや介護のお困りごとを伺い、お住まいの地域の窓口や、見守り・介護・住まいに強い厳選した提携業者・専門家へおつなぎします。「何を相談していいか分からない」段階でも大丈夫です。

遠くにいても、できることはあります。
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