認知症・お金

成年後見制度のデメリットと、申請しない場合の代替手段

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

「親の認知症が進んできて、銀行に行っても口座のお金が下ろせない。施設の費用も払えない……。窓口で『成年後見制度を使ってください』と言われたけれど、調べてみるとデメリットばかりが目について、できれば申請したくない」。そんな気持ちで、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。あなたが感じている迷いは、けっして冷たいわけでも、間違っているわけでもありません。成年後見制度は親の財産を守る大切な仕組みである一方で、いったん始めると後戻りしにくく、家族にとって負担になる面もあるからです。

この記事では、家族の立場から「何にひっかかってしまうのか」を正直に整理したうえで、申請しない場合に検討できる代替手段と、判断の目安をお伝えします。難しい制度の話を、できるだけかみくだいてお話ししますね。

成年後見制度の主なデメリット

成年後見制度は、認知症などで判断能力が十分でない方に代わって、家庭裁判所が選んだ後見人が財産管理や契約を行う制度です。本人を守るための制度ですが、実際に使った家族からは「思っていたのと違った」という声もよく聞かれます。代表的なデメリットは次の3つです。

つまり成年後見は、「始めやすいけれど、やめにくい」「本人保護が最優先で、家族の自由度は下がる」制度だと知っておくことが大切です。だからこそ「本当に今、申請が必要なのか」を一度立ち止まって考える価値があります。

制度を使うべきか迷い立ち止まるのは、親のお金を真剣に守ろうとしているからこそ。焦らず選択肢を知ることから始めれば大丈夫です。

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申請したくない場合に検討できる代替手段

成年後見を申請したくないと感じるとき、状況によっては別の選択肢が取れることがあります。ただし、それぞれ「親の判断能力がどのくらい残っているか」で使えるかどうかが変わります。代表的な3つを見ていきましょう。

  1. 家族信託(民事信託)

    親が元気なうちに、信頼できる家族へ財産の管理・処分を託しておく契約です。自宅の売却や資産の組み替えも家族の判断で進めやすく、毎月の報酬も発生しません。ただし契約には親の判断能力が必要で、設計を専門家に依頼すると初期費用がかかります。認知症が進む前の「予防策」として有効です。

  2. 任意後見

    親が元気なうちに「将来、判断能力が下がったらこの人に頼む」と公正証書で決めておく制度です。後見人を家族など自分で選べるのが法定後見との大きな違い。判断能力が低下した後に家庭裁判所へ申し立てて発効します。誰に任せたいかを親自身が決められる安心感があります。

  3. 日常生活自立支援事業

    各地の社会福祉協議会が行う、福祉サービスの利用援助や日常的なお金の出し入れの手伝いです。比較的軽度で、契約内容を理解できる方が対象。利用料も後見より抑えられる傾向があります。大きな財産の処分には対応できませんが、「日々の支払いだけ助けてほしい」という段階では心強い選択肢です。

注意したいのは、家族信託や任意後見は親の判断能力がしっかり残っている間にしか契約できないこと。すでに認知症がかなり進んでいる場合は、これらが使えず、成年後見が事実上の選択肢になることもあります。だからこそ「まだ早い」と思える今こそ、動き始めるタイミングなんです。

判断の目安と、まず相談してほしいこと

どの方法が向いているかは、ご家庭の状況で変わります。あくまで一般的な目安として、次のように整理してみてください。

とはいえ、これらは制度の入口の話にすぎません。後見人の報酬や財産管理、信託の設計、税金の扱いなどは、最終的に弁護士・司法書士・税理士といった専門家や、家庭裁判所・地域包括支援センター・社会福祉協議会などの公的窓口で確認することが欠かせません。確定的な判断は、必ず専門家にご相談ください。この記事は、その前段階で「考えを整理する」ためのものとお考えいただければと思います。

「制度が多すぎて、結局うちはどこから手をつければいいの?」——その入口の交通整理こそ、私たち実家SOSがお手伝いできるところです。状況をうかがって、信頼できる専門家や窓口へつなぐお手伝いをします。一人で抱え込まなくて大丈夫。迷っている今の段階で、気軽に声をかけてくださいね。

成年後見を申請する前に、まずは状況の棚卸しを。
「親の判断能力」「お金の困りごと」を教えていただければ、合いそうな選択肢と相談先をご案内します。

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