相続・税金

実家の相続に相続税はかかる?基礎控除と申告の要否

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

親が亡くなって実家を相続することになったとき、まず多くの方が不安に感じるのが「相続税はいくらかかるのだろう」という点ではないでしょうか。テレビや雑誌では「相続税が大変」という話をよく見かけるため、実家を受け継いだだけで多額の税金を請求されるのではと身構えてしまう方も少なくありません。

結論から言えば、相続税はすべての人にかかるわけではありません。一定の金額(基礎控除)までは課税されない仕組みになっており、実際に相続税の申告が必要になるご家庭は全体の一部にとどまります。一方で、実家の土地の評価額や他の財産との合計によっては課税対象になるケースもあるため、「うちは関係ない」と決めつけず、一度きちんと確認しておくことが大切です。この記事では、相続税の基本的な考え方と、申告が必要かどうかを判断するための目安を整理します。

相続税のことは難しくて当然です。わからないまま不安を抱えず、ひとつずつ確かめていけば大丈夫です。

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そもそも相続税とは?かかる人は限られている

相続税は、亡くなった方(被相続人)が残した財産を相続したときに、その財産の合計額に応じてかかる税金です。ここでいう財産には、現金や預貯金、株式などのほか、実家を含む土地・建物などの不動産も含まれます。生命保険金や死亡退職金の一部も対象になることがあります。

ただし、相続した財産すべてにそのまま税金がかかるわけではありません。後述する基礎控除という非課税の枠が設けられており、財産の合計額がこの枠の範囲内であれば、相続税はかからず、申告も原則として不要です。実際に相続税の課税対象になるのは全体の一部の家庭にとどまるとされており、多くのケースでは「気になっていたけれど、確認したら非課税だった」という結果になることも珍しくありません。とはいえ最終的な判断は財産の内容次第ですので、目安として捉えてください。

基礎控除の計算方法|「3000万円+600万円×法定相続人の数」

相続税がかかるかどうかの最初の分かれ目が、この基礎控除です。基礎控除額は、次の式で計算します。

基礎控除額 = 3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
たとえば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、法定相続人は3人なので「3000万円+600万円×3人=4800万円」が基礎控除額の目安となります。財産の合計額がこの金額以下であれば、相続税はかからないのが一般的です。

つまり、相続人が多いほど基礎控除の枠は大きくなります。実家を含めた財産の合計額が基礎控除を下回るのであれば、相続税の心配はまずありません。逆に基礎控除を超える部分がある場合に、その超えた分に対して相続税がかかってくる、というイメージです。誰が法定相続人になるかは家族構成によって変わり、数え方にも一定のルールがあるため、判断に迷うときは専門家に確認すると安心です。

実家(宅地)の評価と「小規模宅地等の特例」

相続財産のなかでも、実家の土地は評価額が大きくなりやすく、相続税を考えるうえで重要なポイントになります。土地の評価額は、購入時の価格や時価そのものではなく、路線価などの基準にもとづいて算出されるのが一般的です。実際の評価は土地の形状や条件によっても変わるため、おおよその目安として捉えてください。

そして、実家のように親と同居していた住まいの土地などについては、一定の要件を満たすと小規模宅地等の特例によって、土地の評価額を大きく減額できる場合があります。これは、残された家族が住む場所や生活の基盤を守るために設けられた制度で、適用できれば相続税の負担が大きく軽くなることがあります。

ただし、この特例には「誰が相続するか」「相続後も住み続けるか・所有を続けるか」といった細かな要件があり、ケースによって適用の可否や減額の割合が変わります。特例を使うこと自体に相続税の申告が必要となる場合もあるため、「特例で非課税になるから申告も不要」と自己判断するのは禁物です。適用を検討する場合は、必ず税理士などの専門家に確認してください。

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相続税の申告が必要なケースと、不要なケース

相続税の申告が必要かどうかは、おおまかに次のように整理できます。あくまで一般的な目安であり、最終的な要否は財産の内容や特例の適用状況によって変わる点にご注意ください。

注意したいのは、「税額がゼロ=申告不要」とは限らないという点です。特例を適用した結果として納める税金がなくなる場合でも、申告を行うことが特例適用の条件になっていることがあります。判断に迷ったら、申告が必要かどうかだけでも早めに専門家へ確認しておくと安心です。

申告と納税の期限は「10か月以内」

相続税の申告と納税には期限があります。一般的には、相続の開始(被相続人が亡くなったこと)を知った日の翌日から10か月以内とされています。この期限までに、申告書の提出と納税の両方を済ませる必要があります。

10か月と聞くと余裕があるように感じるかもしれませんが、実際には葬儀や各種手続き、遺産分割の話し合い、財産の調査や評価などに時間がかかり、あっという間に過ぎてしまうことが少なくありません。遺産分割がまとまらないまま期限が近づくと、対応が難しくなる場合もあります。準備の流れを早めにつかんでおくと安心です。

  1. 相続人と財産を確認する

    誰が法定相続人になるかを戸籍などで確認し、預貯金・不動産・保険など、どんな財産がどれだけあるかを洗い出します。実家の評価額の見当もここでつけます。

  2. 基礎控除と照らして要否を判断する

    財産の合計額の見込みと基礎控除を比べ、相続税がかかりそうか、申告が必要そうかをおおまかに判断します。微妙なラインなら専門家に相談するのが安全です。

  3. 遺産分割を話し合う

    誰がどの財産を相続するかを相続人どうしで話し合い、まとめます。小規模宅地等の特例は誰が相続するかで適用が変わることもあるため、税負担も意識しておくとよいでしょう。

  4. 申告書を作成し、期限内に提出・納税する

    申告が必要な場合は、期限である10か月以内に申告書を提出し、納税まで済ませます。内容が複雑なときや特例を使うときは、税理士に依頼するケースが一般的です。

迷ったら専門家・公的窓口へ|まずは確認から

ここまで見てきたように、実家を相続したからといって必ず相続税がかかるわけではなく、多くのご家庭は基礎控除の範囲内で課税されないか、特例の活用で負担を抑えられる可能性があります。一方で、財産の内容や評価、特例の要件はケースによって大きく異なり、自己判断だけで「かかる・かからない」を断定するのは難しいのが実情です。

相続税について正確に知りたいときは、税理士などの専門家への相談がもっとも確実です。また、税の一般的な内容については税務署や、自治体・専門家会による無料相談会といった公的窓口を利用することもできます。本記事はあくまで一般的な説明であり、個別の税額や申告の要否を保証するものではありません。最終的な判断は、必ず専門家や公的窓口にご確認ください。

「誰に相談すればいいのか分からない」「実家の片付けや手続きも含めて全体を整理したい」という段階であれば、まずは気軽にご相談ください。状況をうかがったうえで、確認すべきポイントや適切な相談先へとご案内します。

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