施設費用が払えなくなったら|減免制度・転居・生活保護までのイメージ
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施設費用が払えなくなったら|減免制度・転居・生活保護まで

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

入居する時は「年金と少しの貯金があれば、この先も何とかやっていける」と思っていたはずなのに、通帳を記帳するたびに残高が減っているのに気づいて、ふと手が止まる——そんな経験をした方は少なくありません。物価の上昇、医療費の増加、入居期間が思っていたより長くなったことなど、理由はさまざまですが、施設費用を払い続けるのがつらくなるご家庭は決して珍しくありません。「今月の引き落としは大丈夫だろうか」「このまま退去を告げられたらどうしよう」と考えて、夜中に目が覚めてしまう方もいます。

ですが、通帳の数字だけを見て結論を急ぐ必要はありません。介護にはいくつもの負担を軽くする公的なしくみが用意されており、それでも足りなければ、より費用を抑えられる施設へ住み替える、最終的には生活保護という道も残されています。この記事では、費用が払えなくなったときに検討できる選択肢を、実際に動きやすい順番で整理しました。金額や制度の細かな条件はお住まいの自治体や年度によって変わるため、あくまで目安としてお読みいただき、最後は必ず公的窓口や専門職に確認しながら進めてください。

費用が続けられないと気づいた時の苦しさは、親を想う人ほど深いものです。あなただけで抱え込まず、使える支えを一緒に探していきましょう。

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なぜ払えなくなるのか――原因を見極める

何か手を打つ前に、まずは「なぜ足りなくなっているのか」をひとつずつ整理してみましょう。頭の中だけで考えていると不安ばかりが膨らみますが、実際には次のいずれか、あるいは複数が重なっているケースがほとんどです。

「このままのペースで、あと何年払い続けられるか」を紙に書き出して計算してみると、どれくらい急いで動くべきかが見えてきます。残りが数年と分かったなら、それは焦る材料ではなく、早く動いた分だけ選べる道が多く残るというサインです。

まず確認したい「負担を軽くする制度」

施設を変える前に、まず今の施設のまま負担を下げられないかを確認するのが先です。特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設では、所得や資産が一定以下の方を対象に、次のような軽減のしくみが用意されています(対象施設・要件は制度によって異なります)。(出典:厚生労働省|介護保険制度)

  1. 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)

    住民税非課税世帯など、収入や預貯金が一定以下の方は、施設の食費・居住費に「負担限度額」が設けられ、超えた分が補助されます。申請して認定を受ける必要があり、対象になるかは市区町村の窓口で確認できます。(出典:厚生労働省|特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)制度)

  2. 高額介護サービス費

    1か月に支払った介護サービスの自己負担が一定の上限を超えると、超えた分が後から払い戻されるしくみです。上限額は所得区分によって変わります。(出典:厚生労働省|高額介護サービス費制度)該当しそうな場合は自治体から案内が届くこともありますが、念のため確認を。

  3. 高額医療・高額介護合算制度

    1年間(毎年8月〜翌年7月)の医療費と介護費の自己負担を合算し、世帯の上限を超えた分が払い戻される制度です。(出典:厚生労働省|高額医療・高額介護合算療養費制度)医療と介護の両方で出費がかさんでいるご家庭ほど効果が出やすいので、見落とさないようにしましょう。

これらは申請しないと受けられないものが多く、知らずに払い過ぎている方も少なくありません。「うちは対象かどうか分からない」という段階で構わないので、まずは市区町村の介護保険担当窓口やケアマネジャーに相談してみてください。

「もう無理かもしれない」と思ったときほど、結論を出す前に使える制度を一つずつ確認してみてください。負担限度額認定が通るだけで、食費・居住費の負担が大きく下がるケースもあります。制度の適用はケースによって変わるため、「うちは対象外だろう」と自分で決めつけず、必ず窓口で確認しましょう。

制度を使っても足りないなら「住み替え」を検討

軽減制度を使ってもなお負担が重いと感じたら、より費用の抑えやすい施設へ移ることも視野に入れてみてください。一般的に、民間の有料老人ホームより、特別養護老人ホーム(特養)などの介護保険施設のほうが費用を抑えやすい傾向があります。ただし特養は入居待ちが生じることもあり、要介護度などの条件もあるため、「まだ大丈夫」と思っているうちから早めに情報収集しておくことが、いざという時の安心につながります。(出典:厚生労働省|要介護認定制度)

住み替えは、本人にとって暮らしの環境がまるごと変わる出来事でもあります。費用のことだけでなく、立地や介護体制、本人の状態に本当に合っているかも含めて考える必要があるため、現在の施設のケアマネジャーや相談員、地域包括支援センターと連携しながら進めるのが安心です。「費用が苦しくて、負担の少ない施設も視野に入れたい」——そう正直に伝えることに引け目を感じる必要はありません。伝えるだけで、担当者は具体的な候補を一緒に探し始めてくれます。

最終手段としての「生活保護」という選択肢

貯蓄が底をつき、年金収入だけでは生活も介護費用もまかなえない——そこまで追い詰められたときは、生活保護も正当な選択肢です。「家族がいるのに申請してよいのか」とためらう方が多いのですが、生活保護は憲法に基づく権利であり、要件を満たせば誰でも申請できます。(出典:厚生労働省|生活保護制度)生活保護を受けながら入居できる介護施設もあります。

持ち家や預貯金、扶養してくれそうな親族がいるかどうかなどは審査の対象になるため、申請すれば誰でもすぐに認められるわけではありません。ですが、それを判断するのは申請者本人ではなく福祉事務所です。「うちは持ち家があるから無理だろう」と自分で結論を出してしまう前に、まずはお住まいの地域の福祉事務所(生活保護担当)に相談してみてください。実際の可否はケースによって異なります。

とにかく早く、ケアマネと施設に相談を

ここまで制度・住み替え・生活保護と見てきましたが、これらすべてに共通して言えるのは、「払えなくなりそう」と感じた時点で、早めに相談することの大切さです。多くの方は、実際に滞納が始まってから、あるいは施設側から退去を切り出されてから初めて動き出しますが、その時点ではもう選べる手立てが一気に少なくなってしまっています。

相談先として頼りになるのは、まず担当のケアマネジャー、次に今の施設の相談員(生活相談員)、そして地域包括支援センターや市区町村の窓口です。「お金のことで相談するのは恥ずかしい」と感じるかもしれませんが、彼らはこれまでにも同じような相談を数えきれないほど受けてきたプロです。事情を隠さずに話すことで、はじめて具体的な解決策が動き始めます。家族の中だけで抱え込んで、誰にも言えないまま時間だけが過ぎていく——それだけは避けてください。

施設の費用について、家族がケアマネジャーに相談している様子
費用の不安は、抱え込まずに専門家へ言葉にしてみることから動き出します。

「どこから手をつければいいか分からない」というときは、LINEで相談するという方法もあります。

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