介護・制度

要介護認定の申請方法と流れ|初めての介護で迷わないために

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

親が転んで歩きにくくなった、もの忘れが増えてきた、退院後の生活が心配——。介護が現実味を帯びてきたとき、多くのご家族が最初に突き当たるのが「要介護認定」という言葉です。デイサービスを使うにも、訪問介護を頼むにも、車いすや手すりをレンタルするにも、まずはこの認定を受けることが介護保険サービス利用の入り口になります。

とはいえ、「どこに申請すればいいのか」「何が必要なのか」「どのくらい時間がかかるのか」は、いざ直面すると分かりにくいものです。この記事では、初めて介護に向き合うご家族が迷わないように、要介護認定の申請から認定までの流れを、ひとつずつ丁寧に整理してお伝えします。なお、制度の細かな運用は自治体によって異なる部分があるため、最終的には市区町村の窓口でご確認ください。

初めての申請は分からないことばかりで不安ですよね。流れを一つずつ確認していけば、必ず前に進んでいけます。

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そもそも「要介護認定」とは?

要介護認定とは、介護保険のサービスを使うために「その人にどのくらいの介護や支援が必要か」を公的に判定する仕組みです。判定の結果によって、「非該当(自立)」「要支援1〜2」「要介護1〜5」のいずれかに区分され、区分ごとに利用できるサービスの種類や、保険でまかなえる利用限度額の目安が変わります。

原則として65歳以上の方が対象ですが、40〜64歳でも、がんの末期や一定の特定疾病に該当する場合は申請できるケースがあります。「うちの親は対象になるのかな」と迷ったときは、自己判断せず、まずは後述の窓口に相談してみるのが安心です。介護が必要かどうかの線引きは家族には判断しづらいため、迷ったら申請してみる、という姿勢で構いません。

申請から認定までの流れ

要介護認定は、申請してすぐに結果が出るものではなく、いくつかの段階を経て決まります。全体像をつかんでおくと、見通しが立って不安が和らぎます。一般的な流れは次のとおりです。

  1. ① 申請する

    市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターで申請します。申請書のほか、介護保険被保険者証などが必要です。本人が窓口に行けなくても、家族や地域包括支援センター、ケアマネジャーが代行できる場合があります。

  2. ② 訪問調査を受ける

    市区町村の調査員などが自宅や入院先を訪れ、本人の心身の状態や生活の様子を聞き取ります。立ち上がりや歩行、食事、着替え、もの忘れの状況などが確認されます。家族も同席し、日頃の様子を補足で伝えると実態が伝わりやすくなります。

  3. ③ 主治医意見書が作成される

    本人のかかりつけ医が、病気や心身の状態についての意見書を作成します。原則として市区町村から医師へ依頼されるため、家族が手配する必要はありませんが、かかりつけ医がいない場合は窓口に相談してください。

  4. ④ 審査・判定が行われる

    訪問調査の結果と主治医意見書をもとに、コンピュータによる一次判定と、専門家による介護認定審査会での二次判定が行われ、要支援・要介護の区分が決まります。ここは家族が動く場面はなく、結果を待つ段階です。

  5. ⑤ 認定結果が通知される

    申請からおおむね30日程度を目安に、認定結果が郵送で届きます(混雑状況などにより前後します)。結果が出たら、ケアマネジャーや地域包括支援センターと一緒に、実際に使うサービスの計画づくりへ進みます。

このように、申請してから結果が届くまでには一定の時間がかかります。「すぐにサービスを使いたい」という場合でも、早めに申請しておくことが何より大切です。退院に合わせて在宅介護を始めたいときなどは、入院中から申請を進められることもあるので、病院の医療ソーシャルワーカーにも相談してみてください。

申請の窓口と、用意しておくとよいもの

申請の窓口は、お住まいの市区町村の介護保険担当課か、近くの地域包括支援センターです。どこに行けばよいか分からないときは、市区町村の代表電話に「介護保険の申請をしたい」と伝えれば案内してもらえます。地域包括支援センターは高齢者の総合相談窓口で、申請の手伝いから今後の相談まで幅広く支えてくれる、とても心強い存在です。

用意しておくとスムーズなものの目安は次のとおりです。自治体によって必要書類が異なるため、出向く前に一度電話で確認しておくと二度手間を防げます。

申請に費用はかかりません。「お金がかかるのでは」とためらう必要はないので、迷ったらまず申請しておくのが安心です。なお、認定には有効期間があり、状態が変わったときは区分変更の申請や更新の手続きをすることになります。これらの手続きも窓口やケアマネジャーがサポートしてくれます。

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認定区分と、使えるサービスのイメージ

認定区分は、必要な支援・介護の度合いに応じて分かれています。あくまでイメージですが、おおよそ次のように考えると分かりやすいでしょう。実際にどのサービスをどれだけ使えるかは、区分や利用限度額、本人の状況によって変わるため、ここでは目安としてご覧ください。

要支援1・2は、日常生活はおおむね自分でできるものの、一部に手助けや見守りが必要な状態の目安です。介護予防を目的としたサービスや、生活の一部を支える支援が中心になります。要介護1〜5は、数字が大きくなるほど必要な介護が重くなる目安で、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタル、施設の利用など、使えるサービスの幅が広がっていきます。

大切なのは、区分の数字そのものに一喜一憂しすぎないことです。区分はあくまでサービスを組み立てるための出発点であり、本人と家族の暮らしをどう支えるかが本当の目的です。具体的にどんな組み合わせが合うのかは、ケアマネジャーと相談しながら決めていくことになります。

「非該当(自立)」だったときの選択肢

申請しても「非該当(自立)」と判定され、介護保険のサービス対象外となることもあります。介護に不安を感じて申請したご家族にとっては、戸惑う結果かもしれません。けれど、それで支えがゼロになるわけではありません。

多くの市区町村には、介護保険の対象にならない方でも使える地域支援事業や総合事業といった枠組みがあり、体操教室や見守り、生活のちょっとした手助けなどを受けられる場合があります。内容は自治体ごとに異なるため、まずは地域包括支援センターに「非該当だったが、何か使える支援はないか」と相談してみてください。また、その後に状態が変われば、改めて申請して認定を受けることもできます。一度の結果で終わりにせず、状況に合わせて見直していけると考えておくと安心です。

迷ったら、ケアマネ・地域包括に相談を

ここまで流れをお伝えしてきましたが、実際には「思っていたより複雑」「親が申請を嫌がる」「仕事をしながらでは手が回らない」といった壁にぶつかることも少なくありません。そんなときに頼れるのが、ケアマネジャー(介護支援専門員)地域包括支援センターです。

地域包括支援センターは、申請のサポートから今後の見通しの相談まで無料で対応してくれる、地域の総合窓口です。認定を受けた後は、ケアマネジャーが本人や家族の希望を聞きながら、サービスの計画(ケアプラン)づくりや事業者との調整を担ってくれます。「全部を家族だけで抱え込まない」ことが、介護を長く続けていくうえでとても大切です。分からないことは、その都度プロに聞きながら進めていきましょう。

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