要介護認定の更新・区分変更の申請|状態が変わったときの手続きのイメージ
介護・制度

要介護認定の更新・区分変更の申請|状態が変わったときの手続き

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

要介護認定は「一度受けたら終わり」ではありません

要介護認定を受けてサービスが使えるようになったとき、「これでようやく落ち着ける」と肩の力が抜けた方も多いのではないでしょうか。けれど実際には、認定には有効期限があり、期限が来れば更新の手続きが必要になります。しかも親御さんの状態は、こちらの想定より早く変わっていくことがあります。転んで急に歩けなくなった、認知症の進み方が思っていたより速かった、逆にリハビリで驚くほど元気を取り戻した——そんな変化のたびに、「今の区分のままでいいのだろうか」という不安がふと顔を出すものです。

ポストに届いた更新の通知を前に手が止まってしまった方、「親の様子が明らかに変わってきたのに、この区分のまま放っておいていいのだろうか」と一人でモヤモヤを抱えている方——このページは、そんな今の気持ちのまま読み進めていただけるように書きました。要介護認定の更新申請と、状態が変わったときの区分変更申請について、流れ・タイミング・任せられる相談先を、ご家族の目線で整理しています。なお、制度の細かな運用は市区町村によって差があるため、具体的な手続きは必ずお住まいの窓口やケアマネジャーにご確認ください。

認定には有効期限がある——まず確認したいこと

要介護認定には有効期間が設けられており、その期間を過ぎると認定の効力がなくなってしまいます。[出典:厚生労働省―介護保険制度における要介護認定の有効期間について]新規の認定では原則として比較的短い期間が設定され、更新を重ねると状態が安定している方ほど長めの期間が設定される、という運用が一般的です。とはいえ有効期間は本人の状態や審査の判断によってケースごとに決まるものなので、「うちの場合はあと何か月あるのか」を記憶だけで判断するのは危険です。「うちの親は何か月か」は認定結果の通知書(介護保険被保険者証)で確認するのが確実です。今この記事を読みながら、通知書を手元に出してみるのも良いタイミングかもしれません。

有効期間が切れてしまうと、介護サービスを原則1割〜3割負担で使える状態が一旦なくなり[出典:厚生労働省―介護保険サービスの利用者負担割合について]、手続きが整うまでサービス利用に支障が出ることがあります。デイサービスやヘルパーの利用が急に止まってしまったら、ご本人の生活はもちろん、日々の介護を担うご家族の負担も一気に重くなります。そうした事態を避けるために、まずは認定の有効期限がいつなのかを、家族の誰か一人だけでなくみんなで把握しておくと安心です。多くの市区町村では、期限が近づくと更新の案内が郵送で届きます。

更新申請の流れとタイミング

更新申請は、有効期間が満了する前に行います。一般的には満了日のおおむね60日前から申請が可能[出典:厚生労働省―要介護認定の更新認定申請に関する制度概要]とされる自治体が多いですが、開始時期は地域によって異なります。仕事や日々の介護に追われていると、通知を後回しにしてしまいがちですが、動き出しが遅れるほど選べる時間の余裕がなくなっていきます。通知が届いたタイミングで、まず封を開けて日付だけでも確認しておいてください。流れは新規申請とほぼ同じで、おおむね次のように進みます。

  1. 更新の案内・申請書を受け取る

    期限が近づくと市区町村から更新の案内が届くことが多いです。届かない場合や紛失した場合も、窓口・ケアマネジャー経由で申請書を入手できます。まずは有効期限を確認しましょう。

  2. 市区町村の窓口へ申請する

    申請書と介護保険被保険者証を添えて、お住まいの市区町村へ提出します。本人が窓口に行けなくても、家族やケアマネジャーが代行・代理申請できる場合が一般的です。

  3. 認定調査を受ける

    調査員が自宅などを訪問し、心身の状態を確認します。普段の様子をありのまま伝えることが大切です。できることだけでなく、困っていること・できなくなったことも遠慮なく伝えましょう。

  4. 主治医意見書の作成

    かかりつけ医が本人の病状などについて意見書を作成します。市区町村が医師に依頼する形が一般的なので、日頃から受診している医師を伝えておくとスムーズです。

  5. 審査・判定を経て結果が届く

    調査結果と意見書をもとに審査会で判定され、新しい認定区分が通知されます。原則として申請から一定期間内に結果が出ますが、混み具合などで前後することがあります。

更新申請をしておけば、結果が出る前に有効期間が切れても、申請日にさかのぼって認定が有効になる扱いが一般的です。そのため「結果を待っている間にサービスが止まる」心配は通常ありません。判定が届くまでの数週間、気をもみながら待つのはつらいものですが、申請さえ済ませておけばサービスが途切れる直接の心配はないと知っておくだけでも、少し気持ちが軽くなるはずです。念のため早めの申請を心がけてください。

状態が変わったとき——区分変更申請という選択肢

更新を待たずに、有効期間の途中でも認定の見直しを求められるのが区分変更申請です。たとえば、転倒・骨折で急に介護量が増えた、認知症が進んで目が離せなくなった、退院後に在宅介護が始まった——こうした「状態が変わった」場面では、これまで足りていたはずのサービスが急に追いつかなくなり、今の区分のままではサービスの上限(区分支給限度基準額)が足りなくなることがあります。[出典:厚生労働省―区分支給限度基準額について]「なんだか最近、前より大変になった気がする」——そのぼんやりした感覚こそが、区分変更を検討するサインです。そんなときに、より実態に合った区分へ見直してもらう手続きです。

区分変更は、状態が悪化したときだけでなく、改善したときにも対象になります。リハビリで歩けるようになり介護の必要度が下がった場合などです。申請の流れは更新とほぼ同じで、調査と主治医意見書をもとに改めて判定されます。ただし、必ず希望どおりの区分になるとは限りません。悪化を実感して申請したのに区分が変わらなかったり、想定と違う方向に動いたりすることもあり、そのたびに落胆してしまうこともあるでしょう。だからこそ、申請前にケアマネジャーへ相談し、今の状況をどう伝えれば実態が正しく伝わるかを一緒に整理しておくのが確実です。

「更新」は有効期限が来たときの手続き、「区分変更」は期限の途中で状態が変わったときの手続き——似た言葉で紛らわしく感じるかもしれませんが、この2つを混同しないことが大切です。今が期限なら更新、状態の変化が理由なら区分変更。どちらを選ぶべきか迷ったときは、間違った手続きを選んで時間を無駄にしてしまう前に、自己判断で動かずケアマネジャーや地域包括支援センターに一度確認してください。

更新で区分が下がってしまった場合の対応

更新の結果、これまでより軽い区分に変わってしまうことがあります。通知書を開いた瞬間、「え、なんで」と目を疑うご家族は少なくありません。本人の状態は変わっていない(あるいは悪くなっている)のに区分が下がると、使えるサービスの上限が減り、これまで通りの介護体制が組めなくなって生活が立ちゆかなくなることもあります。納得のいかない結果を前に、次に何をすればいいのか——ここから取れる対応はいくつかあります。

まずは、その結果に納得できるかどうかをケアマネジャーと一緒に振り返ることです。認定調査の日、緊張のあまり「困っていること」より「頑張ってできていること」ばかり答えてしまい、普段の大変さがうまく伝わっていなかった、という可能性も考えられます。結果に不服がある場合は、都道府県の介護保険審査会への不服申し立て[出典:都道府県(介護保険審査会)※制度の運用は都道府県ごとに窓口が異なるため、個別の公式URLの記載は控えます]という制度があります。また、状態の変化を理由とするなら、改めて区分変更申請を行う方法もあります。どちらが適しているかはケースによって異なるため、「納得できない」という気持ちのまま勢いで動くのではなく、専門家へ相談して見通しを立ててから手続きを選んでください。

ケアマネ・地域包括に任せられること

更新や区分変更の手続きについて、家族がケアマネジャーに相談している様子
更新の手続きも、区分変更の相談も、頼れる先はちゃんとあります。

ここまで読んで「手続きが多くて大変そう」と感じたかもしれません。仕事や自分の家庭のことをこなしながら、こうした申請の書類まで抱えるのは正直しんどいものです。でも、これらの多くはご家族がひとりで抱え込む必要はありません。すでに介護サービスを使っている方なら、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)が頼れる存在です。更新時期の管理、申請書類の準備や提出の代行、認定調査への立ち会い、結果を踏まえたケアプランの見直しまで、幅広くサポートしてくれます。更新や区分変更を考えたら、まずケアマネジャーに一声かけてみてください。

まだケアマネジャーがついていない、あるいは介護サービスを使っていないという場合は、地域包括支援センターが相談の入り口になります。お住まいの地域の高齢者支援の総合窓口で、申請の進め方や制度の説明を無料で受けられます。何をどう聞けばいいのか整理できていなくても、「更新通知が届いたけれど、これで合っているのか分からない」というくらいの話し方で十分です。更新通知が来た、親の様子が変わった——そのタイミングで早めに頼ることが、ご本人にとってもご家族にとっても穏やかな介護につながります。

「更新で区分が下がった」「区分変更すべきか分からない」——判断に迷ったときは、LINEで相談するという方法もあります。

📲 LINE相談(無料)