親が亡くなって登記を確認したら、建物は親の名義だが、土地は他人の名義だった——
借地は、戦後から高度成長期にかけて建てられた住宅では珍しくありません。親が当たり前のように地代を払い続けていて、子ども世代は相続の場面で初めて知る、というケースが本当に多いです。
1992年8月より前に設定された旧法借地権か、それ以降の普通借地権・定期借地権かで扱いが大きく変わります。旧法借地権は借り手の保護が強く、地主から一方的に「出ていってくれ」とは言えないのが原則です。
地代の額、更新の時期、増改築の可否、譲渡の際の承諾条件。契約書が見つからないことも多いですが、その場合でも地代の支払い記録(通帳、領収書)が手がかりになります。
滞納があると、契約解除の理由になり得ます。相続の手続き中も、地代の支払いは止めないでください。
借地権は相続できます。地主の承諾も、承諾料も不要です(相続は「譲渡」ではないため)。地主から「名義変更料を払え」と言われることがありますが、相続の場合は法的な支払い義務はないとされています。その場で応じず、専門家に確認してください。
契約更新のときに地主から請求されることがあります。法律上の当然の義務ではなく、契約書に定めがあるか、慣行として合意しているかで判断されます。金額の相場も地域差が大きいため、言われた額をそのまま払う前に確認を。
旧法借地権でも、建て替えには地主の承諾が必要とされるのが一般的です。承諾料が発生することが多く、地主が承諾しない場合は裁判所に許可を求める手続き(借地非訟)があります。
借地権を第三者に売るときも、地主の承諾が必要です。承諾料の目安は借地権価格の1割程度と言われますが、これも交渉次第。地主が承諾しない場合、こちらも借地非訟の手続きを取れます。
地主との話し合いは、感情的になった瞬間から一気に難しくなります。とくに親の代から長い付き合いがある場合、子ども世代が突然出てきて権利を主張すると反発を招きます。まずは「相続することになりました」というご挨拶から入ってください。
「借地の実家をどうすればいいのか」「地主から何か言われている」——契約の状況をうかがって、進め方を一緒に整理します。専門家に相談すべき段階かどうかもお伝えします。
📲 LINEで無料相談するもっとも話が早い形です。地主にとっても完全な所有権に戻せる利点があります。ただし買い取り義務はないので、応じてもらえるとは限りません。
地主の承諾を得たうえで売却します。借地権付き建物を専門に扱う買取業者があり、承諾交渉から任せられることもあります。
逆のパターン。完全所有権になれば売却も自由になりますが、まとまった資金が必要です。
地主と共同で「底地+借地権」を一体の所有権として第三者に売る方法。双方にとって価格が上がりやすい形ですが、地主の協力が前提になります。
建物を解体して土地を返します。解体費用は原則こちら持ちです。建物買取請求権を行使できる場合もあるので、返す前に確認してください。
順番としては、まず地主に相談するのが基本です。地主が買い取る意思を示せば、いちばん手間が少なく済みます。
借地は、親の代から続いてきた関係の上に成り立っています。権利だけで割り切れないことも多いはずです。こじらせずに済む道を、時間をかけて探して大丈夫です。
借地権も相続財産です。路線価図に定められた借地権割合をもとに評価され、地域によっておおむね3割〜9割の範囲で設定されています。「土地は他人のものだから財産ではない」という誤解が多いので、相続税の申告が必要かどうかの判断に必ず含めてください。
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